消費者物価指数(東京都区部・24年4月)

~高校授業料実質無償化で大幅下振れ。年度替わりの値上げ加速は確認できず~

新家 義貴

要旨
  • 24年4月の東京都区部CPIコアは前年比+1.6%と、前月の+2.4%から伸びが大幅に鈍化し、事前予想の+2.2%を大きく下回った。下振れの主因は東京都で実施された高校授業料の実質無償化(所得制限撤廃)であり、これによりCPIコアは0.5%Pt押し下げられている。
  • もっとも、高校授業料実質無償化の影響を除いても4月のCPIは弱め。高校授業料実質無償化要因を除いてもコアコアは前月からはっきり鈍化。食料品価格が大幅に鈍化したことに加え、エネルギー・食料を除く部分でも上昇率が縮小。年度替わりの値上げ加速が警戒されていたが、そうした動きは今月には確認されず。
  • 高校授業料実質無償化は地域限定の政策であるため、全国CPIでは影響は小さくなり、▲0.1%Pt程度の押し下げにとどまると予想。
  • 先行きのCPIコアは高止まりか。再エネ賦課金上昇や負担軽減策終了の影響で先行きの電気・ガス代は大幅上昇へ。円安の進展や賃金の増加が企業の価格転嫁意欲を強める可能性も。全国CPIコアは年内+2%を割り込まない可能性が高まりつつある。

図表を含めた詳細についてはpdfファイルをご覧ください。

新家 義貴


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新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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