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- 【1分解説】米大統領選挙の仕組みとは?
米国の大統領選挙は4年ごとに実施され、各党の予備選挙に続いて本選挙が実施されます。予備選挙では民主党と共和党が党員投票等を通じてそれぞれの最終候補者を選出します。本選挙は「選挙人団制度」にて実施され、登録を済ませた18歳以上の米国市民が投票します。全米で合計538人の選挙人が各州から選出され、過半の270人の選挙人を得た候補者が勝利します。
この「選挙人団制度」において、殆どの州では「勝者総取り」方式が採用されています。これは、州で最も多くの票を獲得した候補者が、その州の全ての選挙人票を獲得する方式です。米国では建国以来、現在に至るまで州の主権が尊重されています。「勝者総取り」方式は、州の意志を明確に示す手段として殆どの州で採用されてきました。
「選挙人団制度」によって、特定の激戦州でのわずかな票差が最終結果、ひいては国際情勢に大きな影響を及ぼす可能性があります。2020年の大統領選挙において、ジョージア州とアリゾナ州ではバイデン氏・トランプ氏の得票率がそれぞれ49%以上と大接戦を演じ、僅差でバイデン氏がそれぞれの州の全ての選挙人(16人・11人)を獲得しました。国際政治学者イアン・ブレマー氏が率いるユーラシア・グループが2024年始に発表した10大リスクの1位は「米国の敵は米国」と、その分断が懸念されています。
資料 米大統領選(2020年)結果
(注)各州のアルファベットと数字は州の略称と選挙人の数。カーソルを州の上に移動させることで、当該州の州名、バイデン氏・トランプ氏それぞれの得票率、獲得選挙人数、票数を表示。「勝者総取り」方式ではないメイン州とネブラスカ州では「州の最多得票者」と「州内の下院選挙区の最多得票者」で選挙人を振り分ける。
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この解説は2024年1月時点の情報に基づいたものです。
石附 賢実
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