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【1分解説】物言う株主(アクティビスト)とは?

河谷 善夫

  音声解説

物言う株主は、アクティビストとも呼ばれ、企業に対して株主提案等の株主としての権利を積極的に行使し、企業経営に自らの考えを反映させようとする株主です。これに対して投資先の経営が意に沿わない場合でも、経営に異議を唱えるなど影響力を行使することは一切なく、株式を保有し続ける株主を物言わぬ株主と呼びます。

物言う株主は、必ずしも良いイメージを持たれていません。しかし、企業経営に必要な要請・提案を行うことは、企業価値向上の観点からも必要です。我が国においては、むしろ物言わぬ株主の方が問題視されることもあります。

物言う株主やアクティビストのイメージが良くないのは、かつての敵対的買収のように、強圧的で自らの短期的リターン追求のための行動が目立ったからと考えられます。しかし最近は、投資先企業の持続的な成長を重視するスタンスで投資活動を行う物言う株主も少なくありません。多くの機関投資家も企業との対話を行いながら、物言う株主の提案に賛成の議決権行使をする場合が出てきました。企業は、物言う株主を単純に敵対視するのではなく、前向きに彼らとの対話も行い、自己の持続的成長に繋げる経営を推進することが求められます。

この解説は2023年12月時点の情報に基づいたものです。

河谷 善夫


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。