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【1分解説】ASEANとは?

石附 賢実

  音声解説

ASEAN(Association of Southeast Asian Nations)は、1967年に設立された東南アジア地域の協力枠組みで、現在10カ国で構成されています(資料1)。政治、安全保障、経済、社会文化における協力促進など、幅広い分野がその目的に掲げられています(ASEAN憲章より)。

ASEANの特徴として「多様性」「非干渉」「中心性」「一体性」といったキーワードを耳にします。これらをかみ砕いて表現しますと、「決して一様ではない国々が(多様性、資料1)、原則として内政には干渉せず共通の利益を追求するために協力し(非干渉)、欧米や中露といった陣営の一方のみに与することなくASEANとして諸課題解決プロセスの主導権を持ち(中心性)、個々の影響力は限られる10か国が一体となって国際社会での存在感を発揮する(一体性)」となります。実際、RCEP (ASEANに日中韓豪NZを加えた15カ国の包括的経済連携協定)をはじめとした通商枠組みに代表されるように、ASEANは国際社会でおおいに存在感を発揮しています。

日本とASEANの関係をみますと、2023年は友好協力50周年にあたり、12月には東京で特別首脳会議も開催されます。長年の友好・協力関係もあって、日本はASEANの人々から高い信頼を受けています(資料2)。安全保障環境の変化やサプライチェーンを中心とした中国からのデリスキングが叫ばれる中で、日本におけるASEANの重要性は今後ますます大きくなっていくでしょう。

資料1 ASEAN加盟国の人口、GDP、一人当たりGDP、面積
資料1 ASEAN加盟国の人口、GDP、一人当たりGDP、面積

資料2 ASEANにおける対日世論調査
資料2 ASEANにおける対日世論調査

この解説は2023年11月時点の情報に基づいたものです。

石附 賢実


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