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【1分解説】従業員代表制とは?

岩井 紳太郎

  音声解説

従業員代表制とは、企業と従業員が労使協定を締結する際などに、従業員の過半数に支持された従業員代表が従業員の意見を集約し、企業側に伝える制度を指します。一般的には労働組合がこの役割を果たしますが、従業員の過半数を組織する労働組合がない事業所は、従業員代表を選出することが労働基準法によって定められています。

なお、制度のあり方・権限等については、労働組合は労働組合法によって明確に規定されていますが、従業員代表制は法制化されていないのが現状です。

従業員代表を選出する際の要件としては、①正社員だけでなく、パートやアルバイト等も含めた事業場のすべての労働者の過半数を代表していること、②投票・挙手などの民主的手法により選出すること、③管理監督者でないことの3点が挙げられます。

労働組合の組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)は、2022年で16.5%(厚生労働省「令和4年労働組合基礎調査」)と、その割合は年々低下しており、また中小企業ではそもそも労働組合が存在しないケースが多くあります。昨今、働き方改革等によって従業員の労働環境等が見直され、今後も企業と従業員との間で新たな労使協定を締結する必要性があるなか、従業員の意見や要望を企業側に伝える従業員代表制の重要性は高まっています。

この解説は2023年10月時点の情報に基づいたものです。

岩井 紳太郎


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