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2023.10.17
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【1分解説】組織コミットメントとは?
髙宮 咲妃
組織コミットメントは、所属する組織に対して抱く帰属意識を表す概念で、「ある特定の組織に対する個人の同一化および関与の強さ(Porter,1974)」と定義されています。1960年代頃から現在にかけて盛んに研究されており、実務家からも注目度の高い概念です。その理由のひとつに組織コミットメントが組織メンバーの生産性の向上、欠勤や遅刻の減少等と関係することがわかっている(Batemen & Strasser,1984; Morris & Sherman,1981)点が挙げられます。
組織コミットメントの構成要素は以下3つあります(Allen&Meyer,1990)。
①情緒的要素(組織に対する情緒的愛着:その組織に所属していたい)
②存続的要素(組織を去ると不利益を被るので所属している:その組織に所属している必要がある)
③規範的要素(理屈抜きに組織にコミットすべきという忠誠心:その組織に所属しているべきだ)
情緒的要素と規範的要素の2つは高いパフォーマンスと関係するものの、存続的要素については欠勤やストレス、葛藤と正の関係を示す等、高パフォーマンスとは無関係もしくは負の関係にあることが研究でわかっています(Meyer et al,1993,2002)。
国や企業で組織コミットメントについての調査が多く行われていますが、高パフォーマンスを期待できる情動的要素、規範的要素に焦点を絞った調査が主流となっています。
【参考文献】
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Allen, N. J., & Meyer, J. P. (1990) “The measurement and antecedents of affective, continuance and normative commitment to organization”
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Bateman, T. S., & Strasser, S. (1984) “A longitudinal analysis of the antecedents of organizational commitment”
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Meyer, J. P., Allen, N. J., & Smith, C. A. (1993) “A commitment to organizations and occupations: Extension and test of a three-component conceptualization.”
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Meyer, J. P., Stanley, D. J., Herscovitch, L., & Topolnysky, L. (2002) “Affective, continuance, and normative commitment to the organization: A meta-analysis of antecedents, correlates, and consequences.”
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Morris, J. H., & Sherman, J. D. (1981) “Generalizability of an organizational commitment model.”
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Porter, L. W., Steers, R. M., Mowday, R. T., & Boulian, P. V. (1974) “Organizational commitment, job satisfaction, and turnover among psychiatric technicians.”
この解説は2023年10月時点の情報に基づいたものです。
髙宮 咲妃
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。