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【1分解説】広島AIプロセスとは?

白石 香織

  音声解説

広島AIプロセスとは、ChatGPTを含む生成AIの活用や開発、規制に関する国際的なルール作りを推進するため、G7の関係閣僚が中心となり議論を行う新たな枠組みです。2023年5月に閉幕したG7広島サミットの首脳宣言においてその創設が盛り込まれました。日本は議長国として、様々なステークホルダーとの協力を通じて、2023年内にG7における生成AIに関する共通の見解を取りまとめる予定です(資料)。

この取組みの背景には、中国を含めた世界各国で生成AIの開発・活用が急速に進展するなか、G7が国際的なルール形成の主導権を握りたいという狙いがあります。ただし、生成AIに対する各国のアプローチは異なり、規制を強調する欧州と技術の進化と活用を重視する日本等で立場が分かれており、合意形成に時間を要する可能性も指摘されています。

2023年8月、政府は広島AIプロセスを進めるうえで議論のベースとなる、各国共通の「行動指針案」を発表しました。同案では、AI事業者が担うべき人権への配慮や不正対策等の責務が具体的に規定される予定です。また偽情報や著作権侵害への対策としては、情報発信者の特定やAIの生成を見抜く新たなデジタル技術の活用にも焦点が当てられています。

図表1
図表1

この解説は2023年8月時点の情報に基づいたものです。

白石 香織


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