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【1分解説】心理的安全性とは?

髙宮 咲妃

  音声解説

心理的安全性(psychological safety)は、1965年にScheinらによって提唱され、その後、Edmondsonが発展させた概念です。Edmondson氏は、心理的安全性をチーム構成員一人ひとりの特性ではなく、「チーム全体の特性」として捉え、「自分のチームは仕事をする上で対人関係上のリスクをとっても安全だ、とチームの皆が感じていること」と定義しています。つまり、会社の部署等において、思ったことを発言しても対人関係を損なうことはないとメンバー全員が信じている状態のことを指します。

心理的安全性が確保されるとメンバーは安心して発言できるため、各メンバーのエンゲージメント(やる気等)が向上するほか、多様な意見に耳が傾けられるのでチームとしてより良い意思決定に繋がります。また、お互いの失敗を共有し、学ぶことができるため、継続的な学習と改善の文化が醸成されます。このように、様々な研究で心理的安全性がチームの生産性やイノベーション等に効果的であることが証明されています。

しかし、生産性をより高めるためには心理的安全性の他に「目標に対する責任感」という大切な軸があります。心理的安全性だけ高い状態では、メンバーは快適に仕事が出来ていても、一生懸命働くことはありません。心理的安全性と同時に「責任感」も併せて高めていくことが重要となります。

この解説は2023年8月時点の情報に基づいたものです。

髙宮 咲妃


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