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【1分解説】SBT(Science Based Targets)とは?

牧之内 芽衣

  音声解説

SBTとは、パリ協定が求める水準(2℃目標、1.5℃目標)と整合的な、企業の温室効果ガス排出削減目標のことです。Science Based Targetsの略で、日本語に訳すと「科学にもとづく目標設定」を意味します。

企業がSBTを設定し、2年以内にSBTを推進するイニシアチブ「SBTi」に目標を提出すると、審査のうえ認定が行われます。SBTを設定する企業は世界全体で年々増加しており、認定取得宣言中(コミット)の企業と合わせると2023年6月現在で5309社にのぼります。日本では570社が認定済みまたは認定取得宣言中であり、イギリスの883社、アメリカの679社に続いて3位です。SBTの対象は大企業だけでなく、中小企業に向けたガイドラインも作成されています。

SBTでは、事業者自らの排出だけでなく、製品の原材料の調達、製造、配送といった一連の事業活動で排出される、サプライチェーン全体の温室効果ガス(Scope1、2、3の合計)が削減の対象です。認定を受けた後も、企業は年1回事務局に排出量や対策の進捗状況を報告することが求められます。

企業はSBTを設定することで、ステークホルダーに対して持続可能な企業であることがアピールでき、自社の評価向上などのメリットも期待できます。

図表1
図表1

この解説は2023年7月時点の情報に基づいたものです。

牧之内 芽衣


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