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2023.06.15
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【1分解説】Scope3とは?
牧之内 芽衣
Scope3は、2011年に策定された国際的な温室効果ガスの算定基準「GHGプロトコル」における分類のひとつです。GHGプロトコルでは、モノの製造・物流・販売といったサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量が重視されます。Scope1、2、3もサプライチェーンにおける排出量を指しますが、それぞれ算定対象となる企業活動の範囲が異なります。
Scope1(直接排出量)は、企業自身の直接的な温室効果ガス排出量をいいます。企業が所有するボイラーや炉、車両が排出する温室効果ガスなどが該当します。
Scope2(間接排出量)は、他社からの供給に伴う間接的な排出量をいいます。工場で使用した電気などが該当します。
Scope3(その他の排出量)は、企業の事業活動に関連するものの、企業自身が所有・管理する以外の部分で発生する排出量をいいます。自社が購入した物品の製造時や、消費者による製品使用時の排出量が該当します。
Scope1、2と比べて範囲が広範にわたるため、把握が困難という課題はありますが、気候変動対策の必要性の高まりを背景として、Scope3の把握が求められるようになりつつあります。企業自身の脱炭素戦略策定に役立つほか、サプライチェーン排出量という非財務情報を開示すれば社会的信頼性の向上にもつながります。
※本稿は、週刊エコノミスト(5月23・30日合併号)への寄稿を基に作成しています。
この解説は2023年6月時点の情報に基づいたものです。
牧之内 芽衣
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。