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【1分解説】GX(グリーントランスフォーメーション)とは?

牧之内 芽衣

  音声解説

GXとは、化石燃料からの脱却を含む、クリーンエネルギー中心の産業・社会構造への変革を指します。世界中で異常気象やそれに伴う食糧難が問題となるなど、気候変動対策は国連のSDGs(持続可能な開発目標)にも掲げられる世界共通の課題です。日本も2050年に温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を表明しており、その実現に向けてGXは必須の取組です。2022年6月に岸田内閣が閣議決定した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」では、GXが重点投資分野の一つに位置付けられています。また、2023年2月に閣議決定した「GX実現に向けた基本方針」には、原子力の活用をはじめ、政府が発行する「GX経済移行債(仮称)」を呼び水に10年間で150兆円のGX投資を実現する計画や、炭素の排出量に応じた金銭的負担を求めるカーボンプライシングの構想が盛り込まれました。

GXは、DX(デジタルトランスフォーメーション)に次いで経済産業省が提唱した造語です。2023年4月のG7気候・エネルギー・環境相会合では、米国からGXの定義が曖昧だと指摘されるなど、GXは必ずしも世界共通語ではありません。しかし、気候変動対策という目標は世界共通といえるでしょう。

※本稿は、週刊エコノミスト(5月23・30日合併号)への寄稿を基に作成しています。

この解説は2023年6月時点の情報に基づいたものです。

牧之内 芽衣


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。