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【1分解説】省エネ法とは?

牧之内 芽衣

  音声解説

省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)はもともと1979年のオイルショックを契機として、エネルギー使用の合理化を目的に制定された法律です。2023年4月1日に改正省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)が施行されました。これにより、省エネ法は従来から大きく姿を変え、脱炭素法としての意味合いを強く帯びることとなりました。コロナ禍からの回復による電力需要量の増加やロシアによるウクライナ侵略などの影響で、世界的にエネルギー価格の高騰が顕著となったことも背景にあります。

具体的には、①エネルギー使用の合理化を求める対象に再生可能エネルギーも含めること、②排出量の多い特定の産業部門(鉄鋼、化学、セメント、製紙、自動車など)が用いるエネルギーを非化石エネルギーへと転換する計画の提出義務を課したこと、③太陽光発電の増加に伴い、昼間の出力抑制(供給が需要を上回って周波数のバランスを崩さないよう、あえて発電を停止する措置)が行われることも増えてきたことを理由に、昼間に限定していた電力需要の抑制を、時間帯を問わない「需要の最適化」へと変更したことの3つが大きなポイントです。

※本稿は、週刊エコノミスト(5月23・30日合併号)への寄稿を基に作成しています。

この解説は2023年6月時点の情報に基づいたものです。

牧之内 芽衣


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。