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【1分解説】パリ協定とは?

牧之内 芽衣

  音声解説

パリ協定は、2015年11月から12月にフランス・パリにおいて開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で合意された、温室効果ガス排出削減等に向けた国際枠組みです。一定数以上の国が参加し、参加国の排出量が世界の温室効果ガスの55%に達して初めて発効するという要件が設けられたため、発効は採択の翌年2016年10月となりました。

この協定では、産業革命前からの地球の平均気温上昇を2℃以内、可能な限り1.5℃に抑える努力を追求する世界的な目標が設定されました。また、すべての参加国が削減目標を5年ごとに提出・更新することも義務付けられました。

各国の目標は第三者による評価を受けることになっています。さらに、世界全体の進捗を各国の目標更新や取り組み強化につなげる仕組み「グローバル・ストックテイク」が設けられています。そのため、世界全体で脱炭素の取組みが遅れれば、達成に向けてその後はより厳しい目標が課されることになります。

なお、2021年に英国・グラスゴーで開かれたCOP26で、努力目標であった1.5℃が事実上の目標に格上げされました。日本は「2030年度46%削減(2013年度比)、2050年ネットゼロ」(2021年)を表明しています。

※本稿は、週刊エコノミスト(5月23・30日合併号)への寄稿を基に作成しています。

この解説は2023年6月時点の情報に基づいたものです。

牧之内 芽衣


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