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【1分解説】クリーン水素とは?

牧之内 芽衣

  音声解説

燃焼時にCO2を排出しない水素は、脱炭素社会に向けたエネルギーとして注目されています。中でもクリーン水素とは、環境に配慮した方法で製造された水素のことをいいます。

水素は生成方法によって名称が異なります。化石燃料を使って生成したものは「グレー水素」、グレー水素の生成過程で排出した温室効果ガスを回収して地中に埋めるなど、排出を抑える工夫をしたものを「ブルー水素」といいます。再生可能エネルギーを用いて生成したものは「グリーン水素」です。一般的に、「ブルー水素」と「グリーン水素」の2つを合わせて「クリーン水素」と呼びます。

コスト面では「グレー水素」「ブルー水素」「グリーン水素」の順に優れており、国際エネルギー機関(IEA)の報告書「Global Hydrogen Review 2021」によると、それぞれ1kgあたり0.5~1.7ドル、1~2ドル、3~8ドルですが、環境負荷も同様の順で大きくなります。

日本政府は2021年に策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」で、成長が期待される産業のひとつに水素分野を挙げています。現状200万トンの水素導入量を2030年に300万トンまで増やす計画で、うち42万トンはクリーン水素とすることを目指しています。

※本稿は、週刊エコノミスト(5月23・30日合併号)への寄稿を基に作成しています。

図表1
図表1

この解説は2023年6月時点の情報に基づいたものです。

牧之内 芽衣


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