ライフデザイン白書2024 ライフデザイン白書2024

【1分解説】国民全体の幸福度、GDW(国内総充実度)とは?

村上 隆晃

  音声解説

Gross Domestic Well-being (GDW)は、国の繁栄と幸福を評価するために例えばイギリスのカーネギー財団などにより提案されている指標です。従来から存在するGross Domestic Product (GDP)は、ある国の経済活動の水準を測定するものであり、一般的には国の発展や繁栄の代表的な尺度とされています。ただし、GDPだけでは国民の幸福や生活の質を完全に反映できないという問題が指摘されています。

この問題に対処するため、GDWは、GDPが対象とする経済面(金銭面)に加えて、環境、健康、教育、所得格差、社会的つながり、治安などの要素を含めた幅広い指標を考慮し、国民の幸福や生活の質をより包括的に評価しようとするものです。GDWは、各国の政策決定や国際比較を行う際に、より適切な情報を提供することを目的としています。

GDWは、経済だけでなく、環境や社会的側面も重視し、持続可能で人々の幸福を向上させる発展を目指す現代社会において、ますます重要性を増しています。ただし、どのような要素をどれだけ重視すべきかや、各国の文化や価値観をどのように反映させるかなど、GDWの指標としての確立や社会実装に向けてはまだ議論が続いている点も多いのが現状です。

この解説は2023年5月時点の情報に基づいたものです。

村上 隆晃


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

村上 隆晃

むらかみ たかあき

総合調査部 研究理事
専⾨分野: CX・マーケティング、well-being

執筆者の最新レポート

関連レポート

関連テーマ