- HOME
- レポート一覧
- ビジネス環境レポート
- 【1分解説】インパクト投資とは?
インパクト投資とは、財務的リターンだけでなく、貧困や差別、環境、教育、福祉などの社会的課題の解決を測定可能な形で同時に達成しようとする投資行動を指し、基本的には機関投資家により行われるものです。投資判断は、リターン・リスクという従来の要素に加え、インパクトという社会的・環境的要素を加えた3次元の評価軸に基づくことになります。
インパクト投資は要素が4つあります。まず特定の社会課題解決を目的とする意図があることです。次に財務的リターンも目指すことです。そして株式や債券等広範な資産での実施が可能なこと。最後に社会的インパクト評価を行うことです。
インパクト投資は財務的リターンが一般的投資を下回る場合もあります。しかし社会的価値と経済的価値の両立を意図する点で、財務的リターンを目的としない寄付や助成、ベンチャーフィランソロピー等との活動とは異なるものです。
ここ数年でインパクト投資市場は急速に拡大しており、投資手法の多様化も進んでいます。一方、「インパクト・ウォッシング」といわれる名ばかりの投資形態の増加への懸念が高まっています。インパクト投資の健全な発展を推進するため、原則や要件等の明確化が国際的な機関で進んでいます。
この解説は2023年5月時点の情報に基づいたものです。
河谷 善夫
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。