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【1分解説】30by30とは?

牧之内 芽衣

  音声解説

30by30(サーティー・バイ・サーティー)とは、2030年までに陸と海それぞれ30%以上の面積を保全するという世界的な目標です。2021年6月に英国コーンウォールで開催されたG7サミットで合意された文書「G7 2030年自然協約」で約束されたほか、2022年12月にカナダのモントリオールで開催されたCOP15(生物多様性条約第15回締約国会議)で採択された「昆明―モントリオール生物多様性世界枠組み」の目標3にも記載されています。

前身となるのは2010年に日本で開催されたCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)で「愛知目標」として設定された20の個別目標です。そのひとつ(目標11)に、「2020年までに、少なくとも陸の17%、海の10%を保護地域等として保全する」という目標がありました。この目標は世界全体で達成され、日本では2023年1月時点で陸域の20.5%、海域の13.3%が保護地域として保全されています。

陸・海ともに保護地域を30%に拡大するため、環境省が2022年4月に公表した「30by30ロードマップ」では、国立公園など保全地域の拡大が計画されています。そのほか、民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域を「OECM(自然共生サイト)」として認定する制度が2023年4月からスタートしており、生物多様性の保全に向けたポジティブな効果の波及が期待されます。

この解説は2023年5月時点の情報に基づいたものです。

牧之内 芽衣


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