1分でわかるトレンド解説 1分でわかるトレンド解説

【1分解説】バーチャル株主総会とは?

河谷 善夫

  音声解説

バーチャル株主総会とは、実際にはその場にいない株主等がなんらかの形で参加する株主総会です。その形態から①ハイブリッド参加型バーチャル株主総会、②ハイブリッド出席型バーチャル株主総会、及び③バーチャルオンリー型株主総会の3種類に分けられます。

①は、実際の総会の場にいない株主がWEBサイト等から中継動画を傍聴する形態で、法的には出席となりません。②は、総会の場にいない一部の株主が、ネット等の手段で会社法的に出席するものです。③では、物理的な場で株主総会を開かず、株主等は全てインターネット等を通じバーチャルで出席することになります。

①、②は従来から会社法上も実施可能でしたが、③は、「場所」を定めるとする会社法の規程により実施不可能でした。しかし新型コロナ感染症の拡大を受けた産業競争力強化法の改正により、上場会社では経済産業大臣及び法務大臣の確認を受けた場合に限り、定款変更をした上でこの形態での総会の開催が可能となりました。

バーチャル株主総会は足元で増加傾向ですが、その中心は①の形態です。今後も①を中心にバーチャル株主総会の増加が見込まれます。③の形態の株主総会の急速な一般化はまだ想定されません。

図表1
図表1

この解説は2023年3月時点の情報に基づいたものです。

河谷 善夫


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。