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【1分解説】グリーンウォッシュとは?

牧之内 芽衣

  音声解説

環境配慮に関する見せかけの宣伝をグリーンウォッシュといいます。根拠を示さずに「環境にやさしい」といった表現を用いることや、環境に悪影響のある活動には触れずに一部の環境取組みだけを強調すること、架空の第三者機関の承認を装って「○○認証」などのラベル表示をすることなどが例にあたります。

グリーンウォッシュは消費者の誤認を誘い、環境への取組みを阻害するおそれがあり、海外では欧州を中心に規制が広まっています。

イギリスの公正取引委員会にあたるCMAは、2021年9月に環境配慮の宣伝に関するガイドライン「グリーンクレームコード」を発表しました。フランスでは2021年8月の法改正により、グリーンウォッシュと見なされた広告には広告費の最大80%が罰金として科されることになりました。EUでは、EU域内で投資運用業務を行う企業の取組みが本当に環境保全に資するものか確認できるようにするため、2021年3月にESGに関する情報開示を求める規則「サステナブルファイナンス開示規則(SFDR)」が発効しました。

世界的に情報開示が強化されれば要求水準を満たせない企業は投資対象から外されるリスクがあります。日本ではまだ罰則規定はありませんが、より一層の配慮が求められます。

この解説は2023年2月時点の情報に基づいたものです。

牧之内 芽衣


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。