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【1分解説】ウェルビーイングとは?

村上 隆晃

  音声解説

ウェルビーイング(Well-being)とは、人とのつながりや健康、お金など生活の様々な分野が「満ち足りて幸せな状態」を意味します。生活のどの分野が満ち足りているとウェルビーイングを感じるかは、人により様々です。ただ、国や地方自治体の住民、企業の顧客など多くの人が集まると、どの分野がどの程度満ち足りていると、どの程度ウェルビーイングが実感されるのかといった構造が見えてくるため、政策や企業経営へ役立てる道が見えてきます。

2021年は日本の「ウェルビーイング元年」と呼ばれています。これは政府のいわゆる骨太の方針に「政府の各種の基本計画等についてWell-beingに関するKPI(重要業績評価指標)を設定する」ことが記載され、既に多くの基本計画でKPIが設定されるなど国としての具体的な動きが出てきたことが背景にあります。地方自治体や企業などにも住民や顧客、従業員のウェルビーイングを追求する動きが出てきており、こうした動きは2022年以降も続いています。

GDPで測る物質的な豊かさは大切な指標ですが、国民が心理的に実感できるウェルビーイングを捉えきれていない部分があります。国民が感じるウェルビーイングをどのような指標で測定するのが有効であるかは、官民で今まさに議論が進んでいるところですが、内閣府が「満足度・生活の質を表す指標群(ウェルビーイング・ダッシュボード)」を2019年7月から公表しており、基盤となる指標は整いつつあります。こうした国民のウェルビーイングに関する指標をさらに効果的なものになるよう改善しながら、GDPとともに政策の立案・効果検証に役立てることは、これからの時代に必要なことと考えられます。

この解説は2023年1月時点の情報に基づいたものです。

村上 隆晃


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

村上 隆晃

むらかみ たかあき

総合調査部 研究理事
専⾨分野: CX・マーケティング、well-being

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