2024年1-3月期GDP予測(1次速報)

~自動車減産の影響が大きく、前期比年率▲1.0%とマイナス成長を予想~

新家 義貴

要旨
  • 2024年1-3月期の実質GDP成長率を前期比年率▲1.0%(前期比▲0.3%)と予測する。マイナス成長の主因は認証不正問題に伴って生じた自動車の大幅減産。工場の操業停止により自動車生産が激減したことで、個人消費、設備投資、輸出等、幅広い需要項目に悪影響が及んだ。加えて、23年10-12月期のGDPを一時的に押し上げたサービス輸出において、大口要因の剥落が生じたことも成長率の押し下げ要因になったとみられる。
  • 先行きは緩やかな持ち直しを予想する。自動車生産は正常化に向かっており、4-6月期は増産に転じる見込み。1-3月期に落ち込んだ個人消費や輸出等で反発が予想され、4-6月期はプラス成長の可能性が高い。年後半には実質賃金もプラス転化が予想されることで、個人消費も緩やかに持ち直すだろう。低迷していた内需が持ち直すことで、景気は徐々に回復に向かう。
  • もっとも、物価上昇による実質購買力の抑制が消費の頭を押さえる状況は残る。今後、電気代・ガス代が大幅上昇することに加え、円安によるコスト増の価格転嫁が行われることで物価が高止まる可能性が高い。個人消費の回復ペースは緩やかなものにとどまるとみられ、景気に加速感が出るには至らないだろう。

図表を含めた詳細についてはPDFファイルをご覧ください。

新家 義貴


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新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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