鉱工業生産(2024年3月)

~1-3月期は大幅減産も、先行きは自動車の持ち直しとハイテク需要回復が好材料~

大柴 千智

要旨
  • 経済産業省から公表された24年3月の鉱工業生産は前月比+3.8%と、ほぼ事前の市場予想通りの結果となった。一部自動車メーカーの生産停止や能登半島地震の影響が緩和したことで3か月ぶりの上昇となった。足元では漸く持ち直しの動きに転じたものの、1月、2月の落ち込みを取り戻すには至らず、1-3月期の鉱工業生産は前期比▲5.3%と大幅な減産となった。
  • 同時に公表された製造工業予測指数は、4月が前月比▲1.0%(経済産業省の補正試算値)、5月が同+4.4%の見込みとなった。予測指数で先延ばしすれば4-5月平均は1-3月期を+3.5%pt上回ることとなり、均せば回復が続く計画だ。5月にかけて自動車生産正常化の動きが継続するほか、足元での世界的なハイテク需要の回復の兆しが生産用機械や電子部品・デバイスの生産増に繋がることが期待できる。海外景気の下振れによる下方リスクは小さくないものの、先行きは緩やかな持ち直しを予想する。
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大柴 千智

おおしば ちさと

経済調査部 副主任エコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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